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ホリエモンの”保育士の給料が低いのは誰でも出来るから。”から考える海外と日本の保育士の労働環境の違い

起業家として有名なホリエモンこと堀江貴文さんの保育士の仕事に対するTwitterでのツイートです。

以下引用

堀江貴文(Takafumi Horie)‏Verified account @takapon_jp  Oct 11

誰でもできる仕事だからです

「なんで保育士の給料は低いと思う?」

http://horiemon.com/news/2017/10/12/64627/

 

カナダでの保育士経験しか無い私ですが、海外保育の発信と、海外で保育士をされたい方へのお手伝いを仕事としている者として、考えるきっかけとなりました。

”誰にでもできる仕事”という表現に、保育士として引っかかるところはあると同時に、確かに医師のように膨大な知識が必要なわけでもなく、やりたいと思えばチャレンジしやすい職種であることは確かです。これからの長い人生の土台を作る幼児期の教育を”誰にでもできる仕事”で片付けてもらいたくはないですが、そんなことを論じても状況が変わるわけではないと思うので、日本よりも比較的保育士の労働環境が整っていると感じるカナダの労働条件と比較しながら書いてみたいと思います。

 

必要以上の書類作成


カナダの場合、毎日の書き物と言えば先生達が共有する一冊のノートのみです。日本のように月報、日報、連絡帳といった、事務作業や書類作成は基本的にはありません。ほとんどの園で、みんなで共有するノート(休みの連絡や子供が怪我をした場合など共有する事柄を書き込むもの)とConfidential logbook(内密に記録しておくためのノートで、子供の虐待が疑われるときや子供の行いが極端に悪かった場合などに書き込むもの)という、この二つが書き物ですとして採用されていますが、Confdential logbookに書くことはほとんど無いので、共有ノートが主な書き物です。

 

高すぎる完成度、多すぎる仕事量


日本の保育士さんの間では、パネルシアターやエプロンシアターなど手作り教材も、高い完成度をもとめ、作り物に時間がかかっている印象です。カナダの保育士さんは、同じようなものを手作りするとしても、フェルトを切ってフェルトに描けるペンで描くなど本当に簡単に作れるものです。飲食店等といった他のサービス業と同様に、日本人の細部へのクオリティは、サービスの対価と比べると圧倒的に高く、供給側の負担が必要以上にあるのではと感じます。かといって、個々の保育園や、飲食店単位で、サービスのレベルは価格に見合ったものにする事は現実的には致命傷となり、結果、従業員のマンパワーでカバーをしているのではないでしょうか。」

 

ITの導入はまだまだ


カナダの保育園では日々の様子を知らせるために、保護者のためのFacebookページに日々の保育を載せている園も多くなってきました。また、連絡帳を一人ひとり書く園もほとんど無く、1日の出来事は、お迎えの際にほぼ口頭で伝えるのみです。食事の量やお昼寝の時間などは名前の書かれたホワイトボードに必要項目が記入できるようにしてありお迎えの際に親がチェックするシステムなど簡易的なものとなっています。過去のログをアクセスしやすくしたり、業務の透明性を高める為などITが導入出来る点は多いかと思いますが、まだまだカナダも発展の余地はあるように感じます。保育士の給料改善に劇的に貢献はしないとしても、ホリエモンさんの言う通り保育の分野の改善できるところであり、ITを導入することでより良い保育に集中できる環境を作れるかもしれません。

 

保護者のための保育?


日本の保育は子供の成長を促す為の保育ではなく、保護者を満足させる為の保育に陥っている部分も多いのではという印象です。保護者としては手の込んだアート作品やお遊戯会など子供の成長が見れてすごく嬉しいと思うのですが、週末の発表会など、保育士の負担になっている事も多いのではないでしょうか?カナダの場合、クリスマス会などで劇をすることはありますが毎年同じ衣装、同じ劇、日本の運動会にあたるスポーツデーも純粋に親子でスポーツを楽しむイベントです。子供も先生もストレスの少ない程度での練習なので、仕上がりは日本のものに比べると相当劣るとは思いますが、保護者も子供も先生もみんなが楽しめるイベントとなっています。

 

保育士の給料をあげる為にできる事


カナダでも保育士の給料はその他の職種に比べるとまだまだ低いのが実態ですが、それでも時給計算で16ドル〜25ドル程度と、日本の賃金よりも高めに設定されている印象です。相対的にカナダのサービス業の給料は日本よりも高いという事もありますが、保育園に関しては園の運営組織の違いがひとつあるのではないかと思います。カナダの保育施設はNPOの組織が運営をしているケースがよくあります。NPOという形を取る事で募金を募りやすかったり、教会、コミュニティーセンターといった施設を安価で借りる事も可能となります。さらに、このようなNPOの保育園は、親が理事を務める事も多く、子育ての難しさ大事さを知る保護者が、自分の子供をみる保育士の待遇を決められ、またNPOという枠組みの中での運営のため、収益のほとんどを給料として還元する事が可能となっています。もちろん、民間の会社が保育園を経営する事もありますが、多くの園が高い給料水準を保っているので、おのずと民間の給料水準も高まります。

バンクーバーの、あるNPOの保育園の収支グラフ。右の円グラフの青い部分が従業員への給料と福利厚生に該当。全体の85%以上があてられている。

 

今の日本の政策上や、しきたりの上では保育料単価を個々の園で上げる事は非常に難しい事です。園としての増収見込めないのであれば、給料が上がりにくい事を理解し、働く時間と仕事の大変さを軽減することでバランスをとるというのが現時的な解決策だと思います。そもそも、給料が安いという事は十分に理解して、就職をしている保育士がほとんどであり、みんな子供の成長に携われるという事にやりがいと面白さを感じて仕事しているはずです。給料を含む保育士の労働環境の向上に越したことはありませんが、過度にやりすぎているところがないか、IT技術を利用してより効率的にできる事がないかを、保育士一人ひとりが考える事で大きな力となり、一石を投じれるのではないでしょうか。

色々な意見が飛び交っていますが、私はホリエモンの今回のツイッターにより保育士の労働環境に再度注目を集め、向上のきっかけになれば素晴らしいですね。

2 件のコメント

  • Aki より:

    日本でも、カナダでも保育士をしていました。

    日本では、保育士が専門職としての認識が低い・・・これは残念ながら事実です。ただ、保育士が誰でもできる仕事と思ったり、発言したりしている方の多くはお子さんがいらっしゃらない方や子育てにあまり参加していらっしゃらない方なのかな・・・と思います。

    また、カナダで運営資金を確保しやすい理由としては、保育料が高いことにあると感じ思います。保育料は月8万以上高い所では10万近くまたは地域によってはそれ以上と聞いたこともあります。低所得家庭には国の補助があるとはいえ初めはびっくりしました。そういう点では日本は保育料の保護者負担を考え直す余地はありそうですね。

    • nao より:

      コメントありがとうございます。

      そうですね、子育てや保育の経験のない方からすると保育士と言うと子供と遊んで、お世話してというイメージが未だに根強く残っているのかなと思うと少し残念ですね。

      カナダの運営資金については、確かに保育料は高い(バンクーバー市内の保育料親の負担が3〜5歳児平均で月$986)のですが、そのうちの国の負担が日本に比べると少ないです。私の住むBC州は世帯収入が$40.000以下、$55.000までが対象で補助金は最大$550(3〜5歳児の場合、年齢が低くなるともう少し上がる)です。BC州の平均所得は約$76.000なので、ほとんどの家庭が保育料(月$986)を支払っているので、大学の学費より保育料の方が高いと問題になっています。。。

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